藤井聡氏はこのように言います。
「全く何の知識もなしに大海原の航海に身を置かれれば、どれだけ考える能力(Ability To Think)がある者であっても、遅かれ早かれ遭難してしまうことでしょう。しかし、星や雲の動きについての知識があれば、何とか航海を続けていくことが可能となります。
もちろん、そんな知識は、天から授けられるものではありません。それは、先人達が航海の中で試行錯誤しながら見いだした知識の切れ端が蓄積されたものです。いわば、先人の英知が集積したものです。それと全く同じように、私たち人間の航海である『生きる』ということそれ自身のために必要な最低限の知識こそが、長い歴史と伝統で育まれた『文化』なのです。
挨拶や返礼や謝罪の仕方やその際の言葉使い、要求や譲歩のはかり方やその表現方法、そして、親愛や憐憫の情の伝え方等、そうした『言葉』を中心とした先人達からの英知としての文化こそが、私たちが失ってしまった本能の代わりに、私たちの日常の振る舞いを指し示す、本能図式の代替物となり得るのです。」
現在、「文化」「伝統」「歴史」は軽視され、1人の人間の浅はかな「ひらめき」「思いつき」によって、社会が動かされてしまっています。そのような政治が行なわれ続けたら、古代から連綿と続く私たちの日本が、根から腐り、倒れてしまうと思いませんか。
私たちの日本を守るためにも、個人としての生を良き方向に導くためにも、『月刊表現者』で、歴史・伝統・文化にガッチリと下支えされた思想・哲学を取り入れてください。