この講座の講師を担当するのは、京都大学准教授で経済学が専門の柴山桂太氏とTDKイメーション事業部常務取締役を務めた桂幹氏です。
柴山氏は京都大学で実際に教鞭を取っている経済学のスペシャリストです。
そして柴山氏の授業は学生からの投票の結果、人気No.1になったこともあるほど、わかりやすく面白いと定評があります。
そして、柴山氏はかつて液晶事業でシャープを世界一に押し上げた時の副社長であり、桂幹氏の実父である桂泰三氏の口伝を編纂した経験もあります。
つまり、柴山氏は電機産業の絶頂期を率いた張本人・桂泰三氏から直接、当時の状況や社内の空気などを余すことなく聞いているのです。
そんな柴山氏がマクロな視点から日本の電機産業を打倒すべくアメリカに仕掛けられた罠、それに対抗する日本の電機産業が抱えていた苦悩を明らかにします。
桂幹氏は1986年にかつて世界を席巻したTDKの記録メディア事業部に入社。その後30年に渡り、事業の凋落の現場を見続けることになりました。
営業所の廃止、事業撤退、リストラ…
昭和から最高の形でバトンをもらったにもかかわらず、数えきれない不遇を体験し自身も2度の解雇を経験した桂氏は強烈な徒労感と罪悪感の中、
・なぜ、事業の凋落を止められなかったのか?
・どうして成長を持続できる事業構造に転換できなかったのか?
という疑問への答えを探し続けたと言います。
失敗の原因を探し続けた末、蘇ってきたのは、30年間の記憶の中に眠っていた会議の風景や些細な出来事の数々でした。
それらの断片が時間とともにパズルのように組み合わさり、失敗の原因を確信するに至ったのです。
そして、将来世代のために失敗を告発し、未来に警鐘を鳴らすことを選んだのです。
30年間、凋落の一部始終をその目で見てきた桂幹氏が満を持してミクロな視点から日本の電機産業失敗の原因を明らかにします。