昭和初期の日本では、戦後恐慌、関東大震災、金融恐慌、昭和恐慌という4つの大事件が立て続けに発生し、社会の土台そのものが揺らぎ続けていました。
昨日まで信じられていた価値観が、次々と崩れていく...
家族や友人、仲間たちとのつながりがどんどん薄れて孤独になっていく....
そんな中、こうした人々の生々しい“不安”をリアルに記録したのが、文学者たちでした。
エリート文豪・芥川龍之介が遺した「ぼんやりとした不安」という言葉は、近代の豊かさと引き換えに人々が孤独になっていった昭和という時代の象徴だったのです。
しかしなぜ、豊かになったはずの日本で、人々は逆に“不安”を抱え始めたのでしょうか。
なぜ、成功している人間ですら、「生きる意味」を見失っていったのでしょうか。
こうした謎に正面から立ち向かい、「人は何を支えに生きるべきなのか」を問い始めたのが...
_______小林秀雄をはじめとする批評家たちでした。